犬は元々群れで生活する動物です

 

 

犬の祖先はオオカミですが、狼が人間と一緒に暮らすようになったのは1万年以上も前と言われております。

 

元々、狼は人間にとって狩りのライバルでしたが、比較的大人しい狼が人間の近くに住むようになったのが始まりです。

 

人間と暮らし始めて犬は、嗅覚や聴覚を活かして狩りを手伝ったり、猛獣が来た時に吠えて危険を知らせるなど、人間の生活に欠かせない存在となっていきました。

 

 

そして、犬にとっても人間と一緒に暮らすことで、食べ物や身の安全が保証されるようになったので、犬と人間はまさにベストパートナーと言えます。

 

 

犬には元々服従や助け合いの精神がある

 

犬が人間と生活できるようになったのも、元々狼の群れの生活様式が人間とよく似ていたためです。

 

イヌ科の動物には、繁殖期や育児期以外は一頭だけで行動する単独性捕食動物と、群れを作って集団で生活する社会性捕食動物に分けられます。

 

狼は社会性捕食動物です。

 

一番強い大人を群れのリーダーとして、大家族を作り、狩りや育子を群れ単位で行います。

 

家族を基本単位とする人間のパターンととてもよく似ております。

 

集団で生活するには、仲間と正確に意思疎通をはかるためのコミュニケーション能力も必要です。

 

また、リーダーに従って仲間同士で獲物を分けあったり、親以外の大人が子育てを手伝ったりする事もあります。

 

集団生活をスムーズに送るために必要な、服従や助け合いは、野生時代からすでに身につけていたのです。

 

 

 

人間に守られていくうちに身も心も幼くなってきた

 

何代にも渡って飼いならされていくと、従順で穏やかな気質を持った犬が選ばれて育てられるようになり、犬の性格はどんどん変化していきました。

 

狼よりも野生味や攻撃性がなく、より温和で一緒に暮らしやすい性格になっていきます。

 

また、どんな動物も家畜化されると野生時代に比べて幼くなる傾向があります。

 

特に犬はその傾向が強い動物です。

 

本来イヌ科の動物は、ほかの動物に比べてよく遊ぶと言われておりますが、大人に狩りに出るようになると、無駄な体力を使わないために、普通は遊ばなくなります。

 

しかし、人間に飼われるようになったう犬は、常に人間に守られているので、飢えや外敵から攻撃される心配もありません。

 

その為、いつまでたっても幼い頃の無邪気さが残ってしまいます。

 

大人になってもおもちゃで遊ぶのを好んだり、飼い主に甘えたり、部屋の真ん中で無防備にお腹を出して寝るのは、安心感の表れなのです。

 

 

そして、性格だけでなく容姿も変化していきました。

 

より飼い主の母性本能をくすぐり、愛されるために体や顔つきが子供っぽくなっていきます。

 

秋田県やシベリアンハスキーなど、比較的原種に近い犬種は、まだ狼と似たところがありますが、人間に可愛がられるために改良されてきた小型犬は、特に幼さが強調されています。

 

全身の大きさの割に頭が大きかったり、目が大きかったりなど、幼犬が持っている特徴がそのまま残っています。

 

 

 

 

最も頼れる人をリーダーとして見ます

 

父親の言うことは聞くのに、自分には吠えたり唸ったりで言うことを聞かない、子供の頃、そんな思いをされた方も多いでしょう。

 

群れ社会で生活する狼は、群れの中で最も強いオスをリーダーとして序列を作り、それに従って生活していきます。

 

その名残で、犬は飼い主の一家で勝手に序列をつけ、その序列で最も上の人をリーダーとして従い、自分よりも低いと判断した家族には吠えたり唸ったりして強気に出ると・・・・・っと言われておりましたが、最近では、家族に序列をつけるのではなく、それぞれの人間に役割を当てはめて生活していると考えられるようになっています。

 

犬同士の場合は序列をつけて優劣を決め、それに基づいて行動しますが、飼い主をこの序列に巻き込むことはありません。

 

飼い主の家族のことは、「ご飯をくれる人」「散歩に連れて行ってくれる人」「怒ると怖い人」というように、自分に対する役割や態度を当てはめて判断しています。その中で、最も信頼できる人をリーダーとして認識ております。

 

 

逆に、犬が唸ったときに怖くて要求をとうしてしまった経験があると、犬は唸れば要求が通ると認識し、事あるごとにわがままな態度を取るようになってしまいます。

 

犬よりも上に立とうとするのではなく、犬から見て信頼できる人間になることが、良きリーダーへの一歩となります。

 

 

 

一緒に暮らす家族は仲間

 

家族で話しているときに割り込んできたり、来客があって遊んでもらえないとき焼きもちを妬いたりなど、家族で飼われている犬たちは、自分の事を飼い主と同じ人間だと思っているかのように振る舞うことがあります。

 

これは、犬が元々群れを作って生活していたためです。現代の犬にとっては、自分を含めた飼い主一家が仲間となります。

 

 

しかし、自分のことを人間だと思っているから他の犬とは仲良くなれないかというと、そんなことはありません。

 

ドッグランや公園では初対面の犬同士でも挨拶を交わして一緒に遊びますし、その中でも特に仲のいい犬の友達を作ることもよくあります。

 

それに、どんなに人間社会に馴染んで生活したとしても、人間に対して発情することはありません。

 

また、オオカミは非常に結びつきの強い群れを作り、同じ群れの仲間としか仲良くしませんが、犬は家族以外の人間や犬と遊ぶことができます。

 

 

すなわち、犬は自分のことを社会的存在としては人間の仲間と思っていますが、生物的には犬だということを認識して生活していると考えられます。

 

その為、飼い主と群れのような共同生活を送る一方で、散歩の途中や公園では他の犬と友好関係を築くことができるのです。

 

これは野生時代に無かった新しい関係だと言えますね。